カウンセリングにみえる方というのは、何かしらの問題や悩みを抱えておられることが多いわけですが
カウンセリングを継続して受けていかれるうちに、問題が問題でなくなっていくことがあります。
どういうことかというと
自分の問題に対する考え方が変わったり、自分軸ができ、他人の評価が気にならなくなっていったりするという意味です。
私にはADHD(注意欠如・多動性障害)傾向があります。
1つのことに集中し過ぎたり、考え事をしていたりして、忘れ物やうっかりミスをよくしてしまいます。
私は9年間小学校の教員をしていたのですが、仕事でもミスの多い自分を責め、一時期は鬱状態に陥っていました。心療内科でADHDの対策について相談にのっていただいていたこともあります。
自分のそういった特性は短所であり、直すべきところだと思っていたのです。
しかし、育休中に傾聴と出会い、クライアントとしてカウンセリングも受けるなかで、その思いは大きく変化していきました。
「短所は長所にもなりうる」
児童精神科の吉田友子さんの言葉が、実感を伴ったものとして感じられるようになったのです。
その中で、私の抱えていた問題というのは、実は特性についてではなく、そういった自分を自分で責めていることにあったのだと気がつきました。
育休から教職に復帰したあとは、自分の苦手なことは手伝ってもらえるようにお願いし、自分のミスに気づいたらすぐに報告しました。
そして何より、自分にはそういう特性があるということを同僚に開示することにしたのです。
すると、どうなったかというと
「雨野先生になら言える…」
と、同僚に、ミスを告白されるようになりました。
「ほっとする」と声をかけていただくようになりました。
育休前には死にたいと思うほどに悩んでいた職場での人間関係が、驚くほど円滑に、あたたかいものへと変わっていったのです。
それは、私の特性が変わったわけではありません。
私の特性への捉え方が変わったのです。
傾聴の師に、教えていただいた言葉。
【他人と過去は変えられない。でも、自分と未来は変えられる。】
そして自分が変われば、自ずと周りも変化していき、
今が満たされていれば、過去への捉え方さえも次第に変わっていくのです。
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